建築設計の4つの魅力

建築

「建築設計に興味があるけど、具体的な仕事内容や収入が分からない。」

「どんなところにやりがいを感じるのかな?」

という不安を抱いている人も多いと思います。

結論から言うと、建築設計はとてもやりがいがある仕事です。

収入面も一級建築士があれば、比較的安定した収入が望めます。

アトリエ系設計事務所、組織設計事務所、建設会社の設計部を経験してきた私が、建築設計の魅力をお伝えしていきたいと思います。

建築設計の4つの魅力

ここでは建築設計の魅力、やりがいを考えてみます。

自分の考えたデザイン、間取りがカタチになる

時間をかけ、工夫を凝らして、設計した建物がカタチになる喜びは何物にも代えられません。

デザイン、間取りを考えている時間も楽しい時間です。

デザインの引き出しを増やすために、建築の視察や、建築雑誌を読んでいる時間も楽しい時間ですね。

そして、自分が描いた、「線」が「カタチ」になる時、その一本の線の重みを感じます。

完成した時の満足感

設計した建物を地図、Googleストリートビューで見たときにも、やって良かった!という気持ちになります。

また、設計した建物が町の景観の一部となり、何十年もそこに建ち続ける事になるため、改めて社会的な責任を感じます。

お客様の喜んだ顔、感謝の言葉

設計した建物を人々が笑顔で使っているのを見ると、この仕事を選んでよかったと思います。

例えば設計した住宅を丁寧に使ってもらえている時、

設計した飲食店が笑顔であふれている時、

設計したバイク屋さんがメディアに紹介されている時など、

心から設計をやっていて良かったなと思います。

また、お客様から直接、

「吹抜けが開放的で気に入っているよ!」、

「とても使いやすし、デザインも好きだよ!」、

「あなたに頼んでよかった!」、

「ありがとう!」

という言葉を頂くと、感無量です。

資格手当で年収UP&社会的信用UP

建築士、特に一級建築士があれば、資格手当等がつくので、年収UPが狙えます。

決して大稼ぎできるような仕事ではないかもしれませんが、平均年収よりは上を狙えます。

また、社会的信用も得られます。

名刺を渡すと「一級建築士さんですか!?すごいですね!!」と言われることも多いですよ。

どんな会社で建築設計を出来るの?

「建築設計の仕事をしたいけど、どんな会社に行けば良いのか分からない。」

「建築設計がしたいなら、当然、設計事務所に行くべきだよね。」

建築設計を仕事にしたいけど、どんな会社に行けば良いか分からない。こんな人は多いと思います。

私は大学の時はアトリエ系の建築設計事務所以外に就職する以外の選択肢はありませんでした。

そして、アトリエ系設計事務所で修業したのちは、当然のように独立するつもりでした。

今思えば、視野が狭かったなと思います。

結果的に、アトリエ系設計事務所での仕事は、身となり糧となっているので、その選択が間違いだったわけではありませんが、少し遠回りをしてしまったかなと思っています。

なので、これから建築設計を目指す人には、どんな会社に行けばどんな仕事ができるのかを理解してもらいたいのです。

飲食店にも和食、洋食、寿司、イタリアンなど様々なジャンルがあるように、建築設計にも住宅、商業店舗、公共施設など様々な種類があります。

構造も木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造などで必要な知識が異なります。

デザイン、構造、環境に対する姿勢も多種多様です。

色々な企業で建築設計ができるという事を、理解した上で、自分の適性に合う、設計事務所や企業を選択していただきたいのです。

アトリエ系設計事務所

アトリエ系設計事務所とはデザインに重きを置く、少数精鋭の設計事務所を指す事が多いです。

住宅特集、新建築などの建築雑誌に掲載されるようなデザイン的に凝った建築設計を強みとしています。

建築家の先生が設計した住宅は、しばしば「作品」と言われます。

一般的には構造設計、電気設計、設備設計は外注する事が多いです。

また、定年まで勤める事は少なく、修行が終わったら、独立する人が多いです。

勉強家、野心家の人が向いていると思います。

就職したい場合、就職サイト等に情報を掲載していることは少いので、教授や先輩の紹介、または、直接、設計事務所のホームページから応募する事が多いです。

組織設計事務所

組織設計事務所とはその名の通り、ある程度の人数がいる組織的な設計事務所を指します。

イメージとしては50人以上の設計事務所でしょうか。

100人以上いなきゃ組織設計事務所じゃないという人もいるかもしれません。

設計対象は住宅のような小規模建築の設計は少なく、学校、消防署等の官公庁施設や、事務所ビル、商業施設等の中~大規模の建物の設計をしています。

一般的には事務所規模が大きくなれば、設計する施設規模も大きくなります。

日本で最大の組織設計事務所は2,000人以上のスタッフを抱えており、海外支所もあり、世界中に実績があります。

より大きな建物の設計にチャレンジしたい方には向いていると思います。

一方、大きなチームで仕事を進めていくので、自分が全てを掌握する事は難しく、細かいディテールまでこだわるのはやや難しいかもしれません。

また、地方都市では10~20人程度の設計事務所でも規模が大きい方なので、大都市と地方都市における組織設計事務所の考え方には差があるかもしれません。

ゼネコン、建設会社の設計部

ゼネコンや建設会社は施工部隊が主役です。設計部は自社が施工する建物の設計をすることが多いです。

したがって設計部は主役ではないかもしれません。

ただし、施工部が身近にいるため、現場に行く機会も多く、施工の勉強になります。

建築を設計から施工まで総合的に勉強したい人には向いていると思います。

スーパーゼネコンから地域のゼネコン、建設会社まで多種多様な会社が存在しています。

スーパーゼネコンは日本だけではなく、世界で活躍しています。海外で仕事をする機会も得られるかもしれません。

ハウスメーカーの設計部

ハウスメーカーの設計部は会社によって、特に仕事内容が異なります。

例えば、建売住宅の設計であれば、お客様と打合せすることなく、設計を進める事になります。

一方、注文住宅であればお客様と打合せをしながら設計していくことになります。

また、ハウスメーカーはメーカー毎に強みが異なります。

具体的には、地震に強い、デザインにこだわる、国産木材を使う、断熱性能にこだわる、住宅以外の非住宅建築も建てる、など、メーカー毎に特色があるので、そこで出来る仕事内容も大きく変わってきます。

住宅を多く設計出来るので、住宅のプロフェッショナルになれます。

一方、非住宅の設計の機会は少ないので、転職の際にデメリットになる可能性もあります。

その他

その他にも、変電所ばかり設計する会社、自社工場ばかりを設計する会社など特殊な企業もあります。

自動車メーカーにはショールームや整備工場のデザインマニュアルを作成する部署があり、建築設計に精通した人が採用されています。

同じくナショナルチェーンの飲食店、薬局にもデザインマニュアルを作成したり、基本設計を行う部署があることもあります。

建築とは少し違いますが、店舗内装の設計、住宅リフォーム設計、イベントブースの設計など、一言に建築設計と言っても多種多様なジャンルがあります。

建築設計の大変なところ

残業が多い傾向

建築設計の仕事は中々ハードです。

具体的には、お客様との打合せ、敷地調査、役所、消防との協議、デザイン検討、法令確認、基本設計図の作成、実施設計図の作成、キッチン等の住宅設備の選定・提案、フリーリング等の仕上げ材の選定・提案、確認申請、見積り内容のチェック、工事監理(施工図、施工計画書のチェック)などです。

したがって、残業時間は他の職種より多いかもしれません。

要望、予算、デザイン、法律、構造等の調整が大変

お客様の希望と、予算は得てして乖離していることが多いです。

やはり、どのお客様も出来る限り安く良いものを建てたいですから。

また、カッコいいデザインと法律は相反する事が多いです。

様々な要望や条件を調整していくことが最も大変な業務の一つです。

一品物だからこその苦労

建築物は車と違い試乗することは出来ません。

料理の試作品のように、実物を何度も作る事も出来ません。

基本的には図面、CGパース、模型で検討した上で、実施設計図を描き、建築物を建てます。

実物を確認できないので、お客様が「思っていたものと違った!」

というケースが発生してしまう可能性もあります。

しつこいくらいにコミュニケーションを取るくらいの気持ちが必要です。

まとめ

建築設計の魅力が少しでも伝わったでしょうか。

本記事のポイントは

・建築設計の魅力とは何か?

・どんな会社で建築設計を出来るの?

・建築設計の大変なところ

です。

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建築設計業の収入や労働環境も気になるところですよね?

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