「建築設計を仕事にしているけど、一級建築士試験に何度も落ちた。」
「勉強が大変だし、諦めようかな?」
「独立する予定は無いから、建築士は必要ないかな?」
その気持ち、分かります。私も何度も落ちましたから。
確かに、資格が無くても、組織に所属していれば仕事は出来ます。
しかし、結論から言うと、一級建築士は取るべきです。
なぜなら、一級建築士を取ると、様々なメリットを享受できるからです。
一級建築士の私が一級建築士を取るべき理由をお伝えします!
一級建築士を取るべき理由
キャリアアップ、転職に有利
一級建築士を取得すれば、キャリアアップに繋がります。
具体的には、昇進、昇給が挙げられるでしょうか。
また、自分の名前で確認申請を出せたり、チームの責任者に任命されたり、より責任の大きな仕事に関われるようになります。
また、転職する際に、一級建築士の有無で書類選考の合否が決まる事もあります。
どんなに設計スキルが高くても、資格が無いために採用で落とされてしまうなんてもったいないのではないでしょか。
資格が無いがために、自信を持てなくて、転職に踏み出せない人もいます。
また、設計以外の業務、例えば、行政、民間の確認確認審査会社、建築コンサル企業などへの転職も視野に入れる事も出来ます。
独立できる
一級建築士は独立もできます。
設計事務所を自分で立ち上げられるのです。
事務所の名前も、事務所の場所も、自分で決められるのです。
夢のような話ですよね。
仮に独立の予定が無くても、自信と安心感を持てますよ。
万が一、会社が潰れたとしても、転職しやすいからです。
また、今すぐに独立の予定は無くても、定年後に独立して、自分のペースで仕事をする事も出来ます。
将来の選択肢が増えるんですね。
収入が増える
多くの設計事務所、建設会社では一級建築士に対して資格手当を出しています。
企業によりますが、相場は3~5万円です。
資格手当が5万円であれば、年収が60万円増えますね。
企業としても価値がある資格という事の表れですね。
一級建築士が何人所属しているかで、受注できる仕事の規模が変わってくることもあるので、会社にとっても一級建築士は重要な人材なのです。
社会的信用を得られる
名刺を出した時に、一級建築士だとお客様からの信頼を得られます。
もちろん、一級建築士でも設計が下手な人、無資格でも設計が上手な人もいるのですが、そんなことはお客様には分かりません。
したがって、一級建築士の有無で判断するしかないのです。
名刺に一級建築士の記載があれば、お客様の信頼、安心感を得る事が出来ます。
また、「一級建築士を取るために、努力をしたんだな!」という証拠にもなります。
「きっとこの一級建築士は頑張って設計をしてくれるだろう!」という期待に繋がる訳です。
信頼された方が、仕事はスムーズに進められますよね。
年齢が上がるにつれ恥ずかしくなるから
一級建築士が無くても組織に所属している限り、設計の仕事をすることは出来ます。
資格が無くても、若い時は良いと思います。
お客様からも上司からも
「まだ若いから!」
と思われるだけで済むので。
何か言われるとしても、
「若いうちに取っておくと、後が楽だよ!」
と言われるくらいです。
しかし、30代になると上司の見方も厳しくなってきます!
「そろそろ取れよ!」
という空気感が出てくるのです。
そして、40代になるとお客様からも
「まだ、資格を持っていないの?」
という目を向けられそうです。
さらに、50代になると、
「この人、資格持ってないけど、大丈夫なの?担当を変えて欲しいな。」
と心配されてしまいそうです。
つまり、年齢が上がるにつれて、一級建築士を持っていない事が恥ずかしくなってくるんですね。
そもそも一級建築士は難しいのか?
一級建築士とは
一級建築士は国家資格です。
学科試験と製図試験の両方に合格しないとなれません。
試験は1年に1回で、学科試験が7月、製図試験が10月に行われます。
一級建築士は高層ビルから住宅まで、日本国内のすべての建築物の設計を行えます。
それだけ責任のある資格という事です。
学科試験は、
・学科Ⅰ(計画)
・学科Ⅱ(環境・設備)
・学科Ⅲ(法規)
・学科Ⅳ(構造)
・学科Ⅴ(施工)
の5科目で、125点満点です。
製図試験は毎年異なる課題が出されます。
図面作成や計画の要点の記述が主な出題内容です。
一級建築士の難易度
2021年の学科試験の合格率は15.20%、製図試験の難易度は35.90%、総合では9.90%です。
約1割しか合格できない試験のため、難易度は非常に高いと言えるでしょう。
学科試験の突破には1,000時間程度の勉強が必要だと言われていますし、私も1,000時間以上を学科試験の勉強に費やしました。
一級建築士の将来性は?
一級建築士も高齢化が進んでいます。
現在の一級建築士の約40%が60歳以上、そして20代はなんと約1%しかいません。
したがって、将来的には人が足りなくなります。
そこで、若い一級建築士を増やすために、受験資格の見直しも行われました。
建築系の大学であれば実務経験なしでも受験が出来るようになったのです。
国も一級建築士不足を心配しているんですね。
つまり、一級建築士は今後、需要が高まっていくと思います。
特に、若い建築士は貴重な人材となるでしょう。
まとめ
一級建築士を取るべき理由が分かりましたか?
本記事のポイントは
・一級建築士を取るべき理由
・そもそも一級建築士は難しいのか?
・一級建築士の将来性は?
です。
ところで、一級建築士に合格する人は、どんな勉強をしているのでしょうか?
仕事をしていると勉強時間の確保が課題になってきます。
効率よく勉強する方法、勉強時間の確保については次の記事を見てみて下さい。
既に一級建築士を持っている人は、追加で他の資格を目指すのがおすすめです。