リビング階段って人気ありますよね?
特にオシャレな住宅ではリビング×吹抜け×鉄骨階段の組合せが人気ですね。
よく聞く意見としては、
・リビングが開放的でおしゃれ
・子供がリビングを経由して2階に行くから、家族のコミュニケーションを取りやすい
・廊下が無いので、間取りに無駄が無い
の三点でしょうか。
確かにカッコいいですよね!
憧れる気持ちは良く分かります。
確かに廊下が少なくて無駄がないですよね!
合理的な理由もよく分かります。
しかし、私はリビング階段をおススメしていません。
それは、メリット以上にデメリットの方が大きいと考えているからです。
リビング階段のデメリット
落ち着かない
リビングに階段があると、落ち着きません。
ちょっと考えてみてください。
例えば、日曜日に子供の友達が遊びに来たとしましょう。
あなたは部屋着でくつろいでいます。
子供と友達はくつろいでいるあなたの隣を通って、2階の子供部屋に行きます。
どうでしょう。ちょっと落ち着かないですよね。
また、高校生くらいになると、夕方や夜まで子供の友達がいることもあると思います。
夕食中、お風呂の後などに子供の友達がリビングを経由して帰っていく可能性もあるのです。
恥ずかしくないように、部屋をいつでもきれいにしておかなければなりません。
もちろん、部屋がキレイなのは良い事ですが、自分の家なのに、気を緩める事が出来ないですよね。
リビングではリラックスしたいのではないでしょうか。
冬寒い
ず、前提として温かい空気は上に行きます。
したがって、暖房の温かい空気は吹抜けの上の方に逃げてしまうのですね。
吹抜けが無いとしても、リビング階段の場合、階段から2階に逃げてしまいます。
なので、1階が寒くなります。また、温めるためには暖房の設定温度、風力を上げる必要があるので、電気代もかかってしまいます。
試しにGoogleで「リビング階段」と検索してみてください。その後の検索候補に、「寒さ対策」、「後悔」、「カーテン」、「ロールスクリーン」などの単語が出てきます。
これは寒さで苦労している人がたくさんいる事を示しています。
せっかくのリビングが寒くて困ってしまう。ちょっと考えてしまいますね。
どうしても吹抜け+鉄骨階段をリビングに計画したい場合は、断熱性能を高め、床暖房もセットで入れる事をおススメします。また、空気を循環させるためにシーリングファンを吹抜け上部に設置する事も忘れないようにしましょう。シーリングファンは出来れば、羽の掃除をしやすい位置に設置するのがベターでしょう。
音と臭いが2階まで届いてしまう
例えば、あなたに受験生の子供がいるとしましょう。リビングと2階は階段を通して繋がっています。したがって、1階のテレビの音は2階に簡単に聞こえてしまいます。子供が勉強に集中できないようだと、まずいですよね。あなたは、気を遣って、音量を下げなければならないかもしれません。
また、臭いも2階に上って行ってしまいます。特にホットプレート調理などは影響が大きいです。換気扇の真下で調理が出来ませんからね。
リビング階段は開放的なのですが、開放的がゆえに、音や臭いも伝わりやすいのです。
リビングは専有部?共用部?
マンションを考えてみてください。エントランスホール、廊下、階段は共用部、各住戸が専有部ですよね。
住宅に置き換えてみましょう。玄関、廊下、階段は共用部です。寝室、子供部屋、書斎は専有部ですよね。では、リビングはどちらでしょうか?
家族みんなが使うから共用部でしょうか?であれば、リビング階段があっても良いと思います。
家族みんなが使うとは言え、夜遅くまで、音を気にせずにテレビを見たい。子供の友達が入ってくるのはちょっと嫌だな。という事であれば専有部とも考えられますね。
最終的にはお客様がリビングを専有部と考えるのか、共用部と考えるのかが、キーになってくると思います。
いずれにせよ、階段の位置は慎重に決めたいですね。
まとめ ~では、階段のおススメの位置は?~
私個人としてはリビング階段はおススメしていませんが、お客様からリビングに鉄骨階段が欲しいと言われた場合は、当然、計画します。
その際は、デメリットもきちんと説明した上で、お客様の承認を得て、取り入れる訳ですね。
また、鉄骨階段自体は好きです。開放的でカッコいいですからね!
モダン、スタイリッシュ、開放的、明るい空間を作るうえで、重要なパーツになってきます。
では、どこに階段を設置するのがおススメでしょうか?
もちろん、ケースバイケースです、住宅に絶対はありません。回答は無数にあるのです。
しかし、私の考えでは、玄関、または、玄関ホールに鉄骨階段を設置するのがおすすめです。さらに、吹抜けもあれば、より開放的になります。
玄関に鉄骨階段があれば、玄関先までしか来ないお客様にも見てもらえますしね。
玄関から直ぐに階段まで行けるので、廊下を少なくすることも出来ます。
さらに、玄関を広く見せる事も出来ます。